導入事例

Case

船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー

様々なシステムをバラバラに利用していたが、kintoneを軸に連携すべきシステムは連携させ、情報を一元管理することで、従業数を増やさず案件数2倍、売上1.5倍になった事例

公開日:2022年06月15日
About みらい電設株式会社 様

みらい電設株式会社は、神奈川県平塚市にて太陽光パネルや蓄電池・エコキュートなどのオール電化工事を手がけている。「お客さまにとって、安心して相談いただける存在になる!」を理念に、お客さまのニーズに合わせた工事プランを提案し、年間1000件以上の点検実績を誇る。2021年1月より操業を開始したことをきっかけにkintoneを採用。 今回は導入から現在に至るまでを、代表取締役 森大輔氏、DX担当者 石井桂子氏に詳しくお話を伺った。

kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

森社長

業務ごとにExcelや様々なシステムを利用して売上や原価など、案件のデータをCSVファイルへ抽出するという作業を行っており、一元管理できていないのが課題でした。Excelで管理するのは現実的で無いと考え、船井総研の担当コンサルタントに相談したところkintoneの話を伺いました。

kintone導入時に取り組んだことについて教えてください

森社長

パソコンやスマートフォンがあまり得意ではない従業員でも、利用しやすい仕組みにするよう取り組みました。特にワンクリックで操作できたり、必要な項目のみ見えるようにしました。

kintoneのスペーストップ画面
よく使うアプリをお知らせ欄にアイコンで掲載、ワンクリックで登録できるようになっている。
森社長

また、データの一元管理ができていないという課題は、kintoneにデータを集約することで債権・債務・月次売上を一目で分かるようにしました。どの案件が売上になるのか、さらには原価や発注状況なども一覧でみれるようになったというところは大きな改善点でしたね。
アプリの一覧画面ではデータを抽出することができるので、受注状況や完工状況を見て売り上げ予測を立てられる点も、Excelでデータを集計していたときと比較して大幅に改善されました。

見積書アプリの一覧画面
状況ステータスに応じて背景色が変化するため視覚的に把握できるようになっている。

インタビュアー

UIを分かりやすくされたとのことですが、入力するときにはまた別のハードルがあったと思います。そのあたりの取り組みも教えていただけますでしょうか。

森社長

現在は全従業員が入力を行っていますが、こちらに関しては石井さんが改善を頑張ってくれました。

石井様

以前利用していた別のシステムがkintoneに通ずるものがあったので、私自身が入力すること自体は特に難しいことはなく、スムーズにできていました。ほかの従業員に対しては「どこに何を入力する」というところを徹底して教えていき、入力箇所の配置に慣れていってもらいました。あとはやりながら分からないところがあったら聞いてもらってその都度教えていくという形で進めていきました。
入力の流れとしては、バックオフィスで顧客登録から案件登録を行い、見積り発行は営業も行っています。

みらい電設株式会社様のアプリ構成図及び入力の流れ

kintoneを導入後、効果が大きかった点を教えてください

森社長

kintoneの導入により、営業を強化できたということもあり、案件数が2倍、売上が1.5倍になったのが一番の効果ですね。
業務効率化という面では、見積書作成の時間短縮の効果が大きいです。
以前はExcelで出していた見積書を過去のフォルダを1つ1つ確認しながら作成していたのでかなり時間がかかっていました。
今はお客様から見積り依頼をされた際に、過去の似た案件を簡単に検索でき、複製して日程を修正するだけで見積書が作成できるのが便利ですね。リピート案件の場合だと、登録内容を複製し、日付を変更、金額など以前とは変更する箇所だけをチェックすれば完成となります。今までは、過去の見積もりを探すために1つずつデータを開いて確認していたので、かなり時間短縮になりました。
また、レコードを見たときに原価・発注・粗利などその見積りに関しての様々な項目がすぐに分かります。以前は見積書の額面しか分かりませんでしたが、今はどの発注先に発注したか、最終的な粗利はいくらだったかも分かるので、粗利率改善にもつなげることができています。

原価・発注を入力することで自動で粗利・粗利率が算出されるため、粗利率が目標を下回っていないかなど一目でわかる

インタビュアー

見積書の作成時間はどれくらい短縮できましたか?

森社長

以前は大体1件あたり20〜30分かかっていましたが、今は5分程度でできるようになっています。 1件だと15分くらいの変化ですが、弊社は1日に50〜60件の見積り依頼が来ることもあるので、30分×60件=1800分、30時間かかっていたところが、5分×60件=300分、5時間でできるようになりました。依頼された見積りを作成している間に新規の見積り依頼も多く、どんどんたまっていってしまっている状態でしたが、5分ですので即日出せるようになったのは、業務改善になっていますが、営業面でもよい影響がありましたね。

レコードを再利用することで二重入力の手間が削減される
森社長

また、当たり前ですが、出した見積りは保管しておかなければなりません。見積りの数がとても多いので、これが結構手間でした。しかし、kintoneで見積りを作成しているので、印刷したり、作成した元ファイルをPDFにして保管しておくという手間も省けたことも大きな成果ですね。

インタビュアー

御社ではkintoneのプロセス管理を利用し、見積りの承認フローが整備されていると思いますが、この点についても詳しく教えていただけますでしょうか。

森社長

例えば導入前は、Excelファイルの1枚目がお客様用、2枚目が原価一覧のシートで管理していたのですが、お客様に誤って2枚目の原価一覧シートも一緒に提出してしまうなどやってはいけないミスが起こっていました。kintone導入後は、Excelでの見積り作成を禁止して、kintoneから見積書を作成するようにしました。RepotoneUという帳票出力システムを使用すると、出力するExcelファイルを設定できます。見積書シートのみを出力設定することで、原価一覧シートを送ってしまうということを防げました。
さらにkintoneのプロセス管理を用いて、承認をもらわないと見積書がkintoneから出力できないという設定にしているので、案件ごとの収益の維持ができるようになりました。

ワークフローの流れ

インタビュアー

バックオフィスからみて、導入後の変化はありましたか?

石井様

以前は業務ごとにバラバラだったExcelを利用していたため、それが1つになり顧客登録から請求まで一元管理できる点がとても楽になりました。案件ごとに見積りが出ているとか、注文書は何を出しているかなど、社長の話とも重複しますがすぐに案件内容が分かるようになったので、データを探す手間が省けました。 kintoneにしてから、業務時間が半分くらいに削減できているかもしれません。
そのおかげで、案件数が増えてきている今も問題なく対応できていますし、今までバックオフィスではやっていなかった見積り作成なども行うことができています。

森社長

すぐに情報や集計が見れるので、発注を行う際に原価の無駄遣いをしないようにという意識も持つようになりましたね。

御社はkintoneの連携システムも多く導入されておりますが、どのようなシステムを導入しているのか、またそのシステムの良い点を教えてください

森社長

今回kintoneと同じタイミングで導入してよかったのはRepotoneUですね。
以前はExcelファイルのデータをダウンロードして印刷またはPDF化しなければならなかったのですが、ボタン1つでPDFを出力できる点が気に入っています。

補足:RepotoneUシリーズとは? https://u.repotone.com/
RepotoneU(レポトンユー)シリーズはkintoneで管理している見積書、請求書、各種報告書などあらゆるデータをPDFやExcel形式帳票に出力するプラグインです。
PDFまたはExcelでテンプレートを登録し、kintoneにあるレコードのフィールド情報をマウスドラッグで簡単に指定することができます。誰でも簡単にお好みの帳票をデザインすることが可能です。
RepotonU公式サイトより引用


石井様

あとはじぶんページですね。
以前は、協力会社とその仕事内容の共有はスプレッドシートを使っていました。そのため、案件が受注できたら、協力会社ごとのスプレッドシートに、案件の詳細内容を記載するという必要がありました。1件の案件で複数の協力会社に依頼するということもあったので、同じ内容をスプレッドシートに記入していかなければいけないとかなり手間でした。案件の内容に変更があった場合は、その内容もいちいちそれぞれのスプレッドシートを変更していく必要があります。
協力会社にkintoneを利用してもらえると楽だなと思いましたが、協力会社に見てもらいたいのは、一部のデータでしたし、協力会社ごとにアカウントを発行すると結構なコストがかかってくるので、じぶんページを導入することで、kintoneにレコードを登録するだけで、協力会社に依頼するために必要可能になり、かなり手間が省けました。転記ミスなども起こることがないのもいいですね。

補足:じぶんページとは? https://jibun-apps.jp/page
kintoneと連携したマイページが提供できる連携システムです。
kintoneを社員だけでなく、お客様や関係者に広めたい時に、kintoneをそのまま展開するとユーザごとの利用料金がネックとなってしまう場合があります。
じぶんページを使えば、kintoneのデータと連携したシンプルなマイページを安価に提供できます。
じぶんページ公式サイトより参考


石井様

また、案件を追加した場合、『追加したので、スプレッドシートを見てください!』という内容のお知らせ連絡をしていたのですが、じぶんページではレコードを追加すると、全部メールで通知が飛ぶように設定しているので、いちいち連絡しなくても良くなりました。協力会社からも使いづらいなどの声はなく、問題なく利用できています。

じぶんページのイメージ画像(みらい電設様のものではありません)
kintoneのアカウントを持っていない人に、kintoneに入っている情報から、閲覧設定をした箇所だけが見られる要になっている。
じぶんページのイメージ画像
kintone内のデータを表示させるだけではなく、必要な項目は、編集してもらえるようにも設定できます。

インタビュアー

じぶんページの活用により、協力会社さんとの連絡がスムーズかつリアルタイムな情報を共有できるのはいいですね!たしか、マネーフォワードも連携させていらっしゃいますよね?

石井様

kintoneとマネーフォワードを連携することにより、ボタンワンクリックで請求書が作成できるのでとても便利です。
kintone導入前は、見積書は原価計算などもするために、Excelファイルで作成し、マネ―フォワードで請求書を発行するという利用方法でしたが、マネーフォワードで請求書を作るために、Excelで作った見積書を見ながら、全て手入力で登録をする必要がありました。
kintoneとマネーフォワードを連携させてからは、kintoneの見積書作成アプリで見積書を作成し、請求書を発行するフェーズになった場合は、見積り時に入力したデータをマネーフォワードにボタンを押すだけで連携されるので、マネーフォワード請求書に再度登録するという業務がなくなりました。
請求は売上に繋がる重要なデータであるため、打ち間違いのリスクがなくなったのも非常に助かっています。

補足:マネーフォワードクラウド for kintoneとは? https://biz.moneyforward.com/invoice/integrations/kintone/

kintoneとマネーフォワード クラウドのデータ連携を実現するプラグインです。
マネーフォワードクラウド for kintoneを利用することで、kintoneからマネーフォワード クラウド請求書にワンクリックで取引先・品目・見積書・請求書を作成できるため、従来のデータ転記の手間やミスがなくなります。
さらに、マネーフォワードクラウド請求書の入金ステータスをkintoneに連携できるため、営業担当者が経理担当者に確認しなくても入金状況をリアルタイムで確認でき、未入金が発生した時に迅速な督促・回収が出来るようになります。
マネーフォワードクラウド for kintone公式より参照

みらい電設株式会社様が利用されているkintone連携・拡張機能ツール一覧

今後、kintoneで実現したいことを教えてください

森社長

まずは月次資料をしっかり出せるようにする状態まで持っていきたいですね。
受注や完工など各ステータスごとの管理をしっかりすることからかなと思います。
また、工事業では人件費や原材料の高騰で、粗利率がすぐに変動する課題があります。そういった様々な課題がある中で、今まで通り20%の粗利を目標にしていると成長しない会社になってしまうと思います。見積りアプリの中で、粗利が取れている案件と取れていない案件が一目瞭然になったので、今後は25%から30%程度を安定して取れるようにしていきたいと思っています。

最後に、今からデジタル化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをよろしくお願いします!

森社長

会社の規模に関わらず、結論から言えば導入したほうがいいと思います。
案件や粗利管理、見積り作成がExcelで行うより手間がぐっと省けるというところが一番体感できる部分ではないかなと思います。
kintoneは自分達でカスタマイズすることが難しいシステムではないので、利用しながら改善して行けます。導入リスクが少なく簡単に利用できるシステムだと思いますよ。

石井様

始めてみたら、kintoneを覚えていくということはそんなに難しいことではなかったです。
まずは一度やってみて、という感じです。
安いシステムをそれぞれのいいとこどりで使おうとすると、以前の我々のように複数のシステムを使うことになり、システム間のデータ連携ができず、手動でデータ移行させ、手間やミスが増えてしまうと思います。
kintoneはその点、値段も手ごろで、コストパフォーマンス的にはちょうどいいものになっています。