導入事例

Case

船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー

顧客情報の一元化で顧客との関係性を強化。リピーター増加と成約率の向上を実現した事例

公開日:2024年12月24日
About 株式会社JAエネルギー兵庫 お湯タロウ 様

株式会社JAエネルギー兵庫のお湯タロウは、兵庫県明石市・加古川市を中心にリフォーム事業を展開。 2022年7月にkintone(グロースクラウド)を導入。今回は販売所長の加古彰則様と、kintone担当者の新免いずみ様にお話を伺った。

kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

加古様

リフォーム業の立ち上げをしたばかりだったため、管理の仕組み自体が整っていませんでした。弊社はガス事業がメイン事業のため、ガスの顧客管理のシステムはあったのですが、リフォームの顧客管理システムがなかったのでExcelで管理をしていました。そこでリフォーム特化型のシステムがあるということで船井さんにkintoneを勧めていただき、導入に至りました。

新免様

Excelでは、1行1顧客でお客様のお名前・電話番号・メールアドレス・住所等の基本情報から、案件に関する備考まで管理していました。入力ルールが決まっていなかったので、入力する人によって半角・全角やスペースの有無などが統一されておらず、検索をしたくてもうまくヒットしないことが多々ありました。

特に案件に関する備考は文字数が多くなるので、Excelの1つのセルに入力をすると後から確認するのがとても大変でした。

kintoneの導入が決まったとき、すでにあるExcelの顧客データを成形してkintoneにCSVでインポートをする予定だったのですが、バラバラなデータを整えることに非常に時間がかかってしまうと考え、Excelの顧客データを見ながらすべての顧客情報をkintoneに手入力しました。

立ち上げ初期だったということもあり、今と比べると顧客数もそこまで多くなかったので何とか出来ましたね。

インタビュアー

システム導入にあたり、比較や検討をされたシステムはありますか?

加古様

はい。いくつかありました。

どのシステムも工程管理がメインになっており、下請け業者とのやり取り等に強みを持つシステムが多い印象でしたが、まずは顧客管理が重要だと考えていたので、CRMとしての機能が充実しているグロースクラウド(kintone)を導入することにしました。

kintone導入後、社内での入力浸透や活用促進で行った取り組みについて教えてください

新免様

まずはとにかく「全員に使ってもらう」を目標にしていました。kintoneを便利だと思ってもらうためは、まずは使ってもらうことが大前提になります。

「Excelのこのセルがkintoneのこのフィールドです」「kintoneだったらこういう風に見れるようになります」というように、Excelとの比較を行いながらkintoneの便利さを感じてもらえるように説明していました。

営業だけが使ったり、事務だけが使ったりするだけでは全体的に便利になっていかないので、「全員に使ってもらう」ために積極的に発信をしていました。

新しいシステムの導入時には仕方がないことだとは思うのですが、導入当初はExcelからなかなか卒業できないメンバーもいました。そのようなメンバーをフォローしていかないと会社全体への浸透に時間がかかってしまうと感じていたので、船井さんと「〇月までにExcelを完全卒業して、kintoneに移行する」というゴールを定めました。移行期間中はExcelとkintoneの両方で管理をしていました。

インタビュアー

ありがとうございます。

便利と感じてもらうために、まずは全員に使ってもらう!というところが非常に印象的ですが、他に行った取り組みなどはありますか?

新免様

従業員数があまり多くないので、定期的なkintoneミーティングのようなものは行っていませんでしたが、不明点があれば私に都度聞いてくださいという周知はしていました。

さらに週に1度くらいのペースでこの日のこの時間は全員でkintoneに顧客情報を入力してみる」というような時間も設けていました。

私は担当者として、船井さんとの打合せに参加したり、チャットサポートを使ってカスタマイズのサポートを受けつつ、kintone hiveにも参加しました。その際に学んだ便利機能や、社内に活かせそうなことを共有したり、全員が便利に使っていくために必要なカスタマイズなどはどんどん積極的に行ってきました。

インタビュアー

kintoneの導入からどのくらいでExcelからの管理を卒業されたのでしょうか?

加古様

顧客管理という面でいくと、約2~3カ月ほどだったかと思います。ただ、全員の意識の変化という面も含めると約1年程度はかかったかと思います。

1年程度経過すると「kintoneがなければ仕事ができない」という状況が出来上がっていたので、自然と意識もkintoneに向いてきたかなと思います。

kintoneを導入してどのような効果がありましたか?

加古様

最優先で取り組みたいと考えていた顧客管理が非常にしやすくなりました。顧客管理アプリは、反響管理や案件管理とも紐づいているため、誰が見ても状況が一目瞭然になり、担当者が不在でも状況が把握できるようになりました。

インタビュアー

ありがとうございます。

入力方法の統一などで工夫された点はございますか?

新免様

はい。アプリの中にはたくさんのフィールドがあるので、どこに何を入力したらいいかというような入力迷子を防ぐために、フィールドの配置などを工夫しました。例えば、営業が入力する箇所は「営業入力」というタブを作成して、必要なフィールドをまとめています。情報がまとまったことで視覚的にも見やすくなりましたが、まだまだ改善の余地はあると思います。

図1:案件管理アプリの「営業入力」タブ
インタビュアー

ドラッグアンドドロップで簡単にカスタマイズができるのもkintoneならではのポイントですね。他に効果を感じられた点はありますか?

加古様

全体の案件進捗管理もしやすくなりました。導入前は営業が個人で管理していたため、全体としては追いきれない部分があり、案件によっては動きが不明確になってしまっていたものもありました。今は案件管理アプリで全案件を管理しているので、一覧画面上で全ての案件の進捗をぱっと確認できる状態になったのが非常に便利になった点だと思います。

図2:案件管理アプリの一覧画面
加古様

さらに粗利に対しての意識も変わったと思います。これまでは、各個人がExcelで見積書を作成していたので、誰がどのような見積りを出しているのか、どのくらい利益を出せているのか把握できていなかったのですが、kintoneの見積書アプリを使うことで「誰がどんな見積りを出していて、どのくらいの粗利を出しているのか」がすぐに分かるようになりました。お客様にご提示する前の確認作業などもスムーズにできるようになったので、見落としなどもほぼなくなりました。

新免様

見積書アプリにはレポトンを設定していて簡単に帳票作成ができるようになっているので、すぐにお客様に見積書をお渡しできるようになりました。例えば、工事を行っている最中に「洗面台も工事したい」などというご要望をいただいたら、すぐにkintoneから見積書を作成してお渡しができるので、お客様の温度感が高いうちに追加工事などが成約することが増えたと思います。

図3:見積書アプリ上でレポトンで出力している帳票
加古様

ありがたいことに、リピーター様に対して実施しているイベントでの成約率が特に高い状況です。イベント開催の1ヶ月ほど前から、チラシの構成や案内状の送付、特典の考案等、様々な準備を入念に行ってから実施しています。顧客管理がkintoneでしっかりと管理できるようになったことで、数値関連はkintoneで見れるようになったので、それ以外の提案力や営業の仕方等をより工夫したり、施策を考える時間に充てることが出来るようになりました。トライアンドエラーを続けながらお客様にご満足いただけるように日々努力しています。

また、リアルタイムで様々な数値が見えるようになったので、私だけでなく他の営業もKPIを見るような癖がついてきたと思いますね。アウトプットとしてグラフや表が見れるようになるというようなゴールがあると、入力を進めるためのきっかけになると思います。

図4:KPIアプリで集計している項目の例
インタビュアー

ありがとうございます。イベント時にご来店されたお客様へのお見積りはどのタイミングでご作成されているのでしょうか?

新免様

お客様とのコミュニケーションを最重要視しているので、その場で見積書作成は難しいことがあります。その際は「今日中に作成してお持ちします」というようにお伝えすることが多いですね。

ご利用されている連携システムを教えてください

新免様

見積作成やDM送付先一覧などはレポトンを利用しています。

他にはGoogleMapと連携するプラグインを使っているのですが、非常に有効的に利用しています。お客様のご住所を入力すると、お問い合わせ項目ごとに色分けされたピンが立つ仕組みになっているので、チラシを配布したエリアからきちんと反響が来ているかを確認したり、お客様のご自宅まで何分ほどで到着できるかを確認するために利用しています。

レポトンとは?〈https://u.repotone.com/〉

株式会社ソウルウェアが提供しているレポトンシリーズは、kintoneで管理している見積書、請求書、各種報告書などあらゆるデータをPDFやExcel形式帳票に出力するプラグインです。

雛形の設定を1度してしまえば、ボタン1つでPDFやExcelの帳票を作成してくれます!

〈レポトン公式サイトより参考〉

図5:「kintone 住所/緯度経度変換プラグイン」を利用した一覧画面

今後、kintoneで実現したいことを教えてください

新免様

在庫管理を充実させていきたいです。在庫管理だけは他のシステムで行っているのですが、kintone上でまとめて行うことが出来れば棚卸までも一気通貫でできたらいいなと思います。

また、サイトの更新もkintoneと連携できたらいいなと考えています。少しハードルは高いと思うのですが、kintone hiveでいただいたヒントからkintoneのレコードを更新したらサイトが更新されるような仕組みを作りたいなと考えています。

最後に、今からデジタル・DX化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをお願いします!

新免様

システムの導入だけでなく、担当者の育成も同じくらい重要だと思います。もちろん私もkintoneの知識がない状態からスタートしましたが、今はある程度のカスタマイズができるようになりました。

社内からの要望をまとめて推進できる担当者を育てることで、社内への浸透やkintoneのカスタマイズのスピードも加速させることが出来ると思います。船井さんのサポートや勉強会などでスキルをつけながら、自社のkintoneをよりレベルアップしていくことが出来るので、一緒に頑張りましょう!

加古様

企業にとって顧客の情報は財産だと思っています。DX化をしていくことで、その財産を10年先、15年先にも引き継いでいくことが出来るようになるので、いつ・誰が何をしていたのかが残るので、企業が持続的に存続していくためにはその情報は必須になると思います。システム導入時の費用や、ランニングコストでお悩みの方もいらっしゃると思いますが、顧客数を増やしていくことで「顧客当たりの管理コストを下げていくことができる」という考え方もできます。

サステナグロースカンパニーになるためにはDX化は必要不可欠だと思うので、ぜひ取り入れてはいかがでしょうか。