社会福祉法人征峯会は、茨城県を中心に各種福祉サービスを提供している社会福祉法人。新規事業として人材紹介サービスのスタートと同時に、2024年2月にkintoneを導入。今回は、法人本部 事業推進室室長の飯塚祐己様にお話を伺った。
導入事例
グロースクラウド・kintone伴走支援を
導入いただいている企業様へのインタビュー
新規事業立ち上げ初月から7名の求職者の成約。KPIの可視化とオペレーションの最適化で早期黒字化を達成した事例


kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

弊社は、茨城県を中心に高齢者介護やデイサービスなどの施設や就労支援など、多様な福祉サービスを展開している社会福祉法人です。
その中で、2024年に新規事業として「人材紹介業」をスタートすることになり、船井総研のコンサルタントの方から管理ツールとしてkintoneをご紹介いただきました。
テレビCMなどを見てkintoneを知っていたので「一度はkintone導入を試してみたい」という思いもあったので、この機会に導入を決めました。

ありがとうございます。
他に比較や検討をされていたシステムはございますか?

はい。スプレッドシートとZohoも検討していました。
弊社のメイン事業では毎月の収支確認の管理や、介護施設の稼働率、マーケティングの収支や人事評価など、ありとあらゆる場面でスプレッドシートを利用しています。
そのため、人材紹介業でも引き続きスプレッドシートを利用することも検討していたのですが、スプレッドシート同士の情報連携ができなかったり、セルにある情報がすべてとなり情報の網羅性に欠けてしまうため、立体的な情報管理が出来ない点などに課題を感じていました。
またZohoに関してもkintoneと似たシステムだと認識していたのですが、kintoneのほうがプラグインなどの情報がインターネット上に多くあるので、より自分たちでカスタマイズを進めやすいと思いました。
kintone導入後、社内での入力浸透や活用促進で行った取り組みについて教えてください

立ち上げ当初は、kintoneも人材紹介業の業務自体においても、ほぼ毎日のように改善したい点が出てきていました。
個人的な考えになってしまうのですが、僕は「最適なオペレーションは最適なシステムの上に成り立つ」と考えています。
業務とシステムがあっていないと、うまく利用定着が出来ないことがよくあると思います。
そのため「業務をスムーズに行うためにはどのようなシステムであるべきか?」「どういうシステムだったら結果が出るか?」という考えをもっていました。
船井さんのグロースクラウドは業種特化型で展開をされているので、人材紹介業用のアプリはすでにある状態だったのですが、より弊社のオペレーションに合わせるためのカスタマイズを進めていました。

大変貴重なマインドセットのお話をありがとうございます!
kintoneの利用開始まで、どのくらいの期間がかかったのでしょうか?

カスタマイズ前のアプリを使い始めるまでには、1~2ヶ月くらいだったかなと思います。
その間に、営業先リストなどをインポートしたり、社員向けに利用方法の説明会を開いてもらいました。
説明会を経て大枠の使い方を把握することが出来たので、そこから約2ヶ月間くらいかけてカスタマイズを始めるための準備を行っていました。

業務に沿ったシステムになるまでの期間は、どのように推進されていたのですか?

グロースクラウドの導入にあたり、
①半年間は人材紹介業にコミットすること
②自分が理解したうえで、管理者やメンバーに落とし込んて行くこと
という2点をあらかじめ決めていました。
その上で、説明会から約2ヶ月間はkintoneしか触っていなかったといっても過言ではないくらいにkintoneを触っていました。
アプリの構成やプラグインへの理解がぐっと深まり、少しずつ自分でカスタマイズができるようになったので、現場での実際のオペレーションに連動してkintoneも最適化していくことが出来たのだと思います。
また、現場からの要望については「人材紹介kintoneシステム見直し」というチャットのグループを作成して都度記入をしてもらっていました。


社内でkintoneに関する打合せの時間も定期的に取っていたので、チャットに投稿された内容をその場で確認しながら「実装する or 実装しない」の意思決定をして、カスタマイズしていきました。

素晴らしいお話をありがとうございます。
kintoneのカスタマイズは未経験とのことですが、どのようにスキルを身につけられたのでしょうか?

そうですね。kintoneは、日本では非常に普及していてノウハウがたまっているので、分からないことはインターネットで調べると、大体のことが解決できます。弊社と同じような課題や悩みを持っているユーザーさんが他にもいるからですね。
そのため基本的には手を動かしながら独学で学びつつ、調べても分からないところは船井さんにチャットやZoomにてサポートいただいていました。
kintoneを導入してどのような効果がありましたか?

まず数値的な成果で行きますと、募集開始から1ヶ月で7名の求職者様に入職いただくことが出来ました。
業界平均と比べると早期に黒字化を達成できたと思います。

すごいですね。圧倒的な成果ですが、その成果に対しての具体的な施策や取り組みなどをお伺い出来ますでしょうか?

KPIをはじめとした「数値を可視化すること」が非常に重要だったかなと思います。
例えば、テレアポや訪問などの行動については「テレアポ・訪問アプリ」に確実に入力するように徹底し、それらの情報がまとまるKPIも毎日確認していました。
行動したら入力をするというルールがあったので、リアルタイムで数字が確認できる状態が実現できていました。
使いやすいアプリにするための工夫として、テレアポアプリのレコード詳細画面では「関連レコード一覧」を使って過去の架電履歴を表示出来るように設定をしています。これで、いつ・誰が・どのような対応をしていたのかすぐに分かるのも便利なポイントです。



先ほども述べた準備期間の間に、アプリのフィールドの配置やラベルなど細かい設定も行っていたので、
kintoneのフォームに沿ったヒアリングをすれば良いという状態にしました。


結果としてフォーム自体がマニュアルのようになったので、
アプリを作りこんでおくことで、オペレーションや教育にかける時間をまるっと割くことが出来て営業活動に専念できました。

新規事業立ち上げ時には、KPIを正しく策定する必要があると思いますが、どのように決められたのでしょうか?

KPIは「事業が成功するためのカギ」なので、どんな指標をとるかと目標値の設定が非常に大事だと思います。


新規事業の立ち上げでしたので、船井さんの業種特化のコンサルの方に弊社に適した指標と目標値を定めていただきました。
自分で調べても出てこない、AIに聞いても分からないことを教えてくれるのが船井さんのいいところだと思います。
定めていただいた数値に対しての実績をきちんと可視化していくことで、課題も見えてきます。
その課題を解決するために、オペレーションとkintoneをアップデートしていくようなイメージで進めていました。

ありがとうございます。他に効果を感じられているポイントはございますか?

働き方も柔軟になったなと感じます。
立ち上げ当初は、企業様への営業活動や求職者様の対応を正社員2名・業務委託5名で行っていましたが、現在は事業規模の拡大に伴い、正社員3名・業務委託14名で事業を進めています。
業務委託の方は全員テレワークでお仕事をしてくださっていますので、クラウドのサービスの便利さを感じています。
ご利用されている連携システムを教えてください

帳票関連は「レポトン」を利用しています。
具体的には、キャリアシート、申込書、請求書など、kintoneから出すことのできる情報はすべてレポトンから出力しています。

レポトンとは?〈https://u.repotone.com/〉
株式会社ソウルウェアが提供しているレポトンシリーズは、kintoneで管理している見積書、請求書、各種報告書などあらゆるデータをPDFやExcel形式帳票に出力するプラグインです。
雛形の設定を1度してしまえば、ボタン1つでPDFやExcelの帳票を作成してくれます!
〈レポトン公式サイトより参考〉
レポトンについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

また企業様への営業活動でテレアポをすることが多いので「コールコネクト」というサービスを使っているのですが、
kintoneとAPI連携ができるので、通話履歴、連絡先、録音データ、文字起こしなどをkintoneに登録されるようにしています。
テレアポに慣れていないメンバーと一緒に聞き直したり、全員で聞き直すこともあります。
まだ利用はしていないのですが、ゆくゆくはクラウドサインやEight Team連携などを行っていきたいと考えています。
今後、kintoneで実現したいことを教えてください

人材紹介業のkintoneは形になってきてとても便利に使えているので、
今後はメイン事業でもkintoneを利用していきたいと考えています。
これは課題でもあるのですが、カスタマイズ実施の判断も含めて僕がまとめて行っていたこともあり、なかなか同じ目線でkintoneをカスタマイズできるメンバーがいない状態なので、kintone人材の育成というところもやっていきたいです。
「kintone人材」に必要なスキルは、kintoneスキルと人材紹介業のビジネスモデルの理解が重要になりますが、両方を兼ね備えた人材の育成というよりは、各自の持っているスキルや得意なことを互いに補いあっていくことで、kintone人材になっていくためには重要だと考えています。
そして今後は現場から出たアイデアや要望を、現場のメンバーでアップデートできるような仕組みづくりをしていきたいなと考えています。
最後に、今からデジタル・DX化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをお願いします!

導入したら終わりではなく、船井さんが伴走してサポートをしてくれるので、ITの知識がなくても大丈夫です。
僕自身も、知識があるわけではありませんでしたが、結果として出来るようになったので安心してください。
kintoneでやりたいことがあっても、時間が確保できなかったり、リソースがない時は、船井さんに個別開発の依頼をすることも出来ます。
実際に弊社も今年の4月から3か月間、船井さんに個別開発の依頼をしています。
弊社もよりkintoneをパワーアップさせていきたいと思います。
皆さんも一緒に頑張りましょう!