導入事例

Case

船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー

案件の進捗をkintone上で集約することにより、案件処理件数3倍・売上2倍を実現した事例

About 株式会社村上事務所 様

株式会社村上事務所は福岡県北九州市に事務所を構え、登記業務、測量業務、境界確定業務、境界における法的相談を行っている。土地家屋調査士業務の案件管理の進捗管理・情報管理にkintoneを採用。コロナ禍でも順調に売上、処理件数を増やしている。今回は導入から現在に至るまでを代表取締役村上紀章先生、調査士簑田剛丈先生、調査士清水皓太先生に詳しくお話を伺った。

導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

村上先生:

導入前に感じていた課題は「案件の情報共有」でした。導入前は案件をホワイトボードで管理していましたが、案件の情報のみの記載だったので、担当者が誰かがわからない状態でした。そのため、お客様からお電話で問い合わせがきた時にすぐに回答ができず、担当者が誰かを内線で一人一人確認する必要がありました。書類が届いたときも同様に担当者を調べる必要がありました。


インタビュアー:

毎回担当者が誰かを調べる必要があったんですね。ほかにもホワイトボードを使って管理されていて困っていたことはありますか?


村上先生:

そうですね。ほかにも2つありまして、一つは終了した案件の問い合わせ対応に時間がかかっていたことと、もう一つは、案件の進捗管理ですね。


インタビュアー:

詳しく教えていただけますか?


村上先生:

はい。kintone導入前は、案件情報はホワイトボードに書くか、メモ用紙に書くか、帳票に記入した用紙をファイリングして棚に保管という形でしたので、棚からファイルを見つけるのに非常に時間がかかっていました。問い合わせのお電話のその場で回答というのはできなかったですね。
また、案件の進捗が確認できない点に関しては、年間に2~3件ぐらい案件の進捗が滞っていることに気づかない事態が発生していました。各案件の進捗状況をホワイトボードに記入していないので、どこまで進んでいるのかがわからなかったんですね。そのため、お客様や仲介会社から問い合わせがきて、はじめて案件が滞っていることに気づくといった状況でした。


簑田さん:

ホワイトボードでの管理ではダメだと思っていたのですが、どのように変えていけばいいのかという具体的な解決策が見つからずにいたところ、船井総研の方にファストシステム(kintone)を提案いただき、これを入れたい!と村上に伝えました。ファストシステムを導入すると、案件の情報共有ができるのはもちろん、誰が何件案件を持っているかを把握できるところやグラフ機能があるところに惹かれました。

導入してよかったと思ったところを教えてくださ

簑田さん:

kintone導入により、データの蓄積と検索ができるところがよかったです。一覧画面から案件ごとの進捗がわかることや、現場や隣地の方の情報を検索することができるのでとても便利です。仲介会社から「隣地の方の連絡先わかりますか?」と現場が完了した後に問合せをいただくことがあり、今までは「確認します」と返答して、紙の資料を探すのですが見つからず「わかりませんでした」と答えることがほとんどでした。しかし、今はkintone内にデータがあるため、問い合わせがきた時、完了した現場であったとしても瞬時に回答することができるようになりました。先ほど紙の資料の話をしましたが、紙の管理が大幅に減ったため、事務所内に終わった現場の情報ファイルは全てなくなりました。現在は必要な資料のみスキャンして保存して、データは全てkintone内で管理しています。

清水さん:

私はkintone導入後に入社したのですが、以前勤めていた事務所もホワイトボードで管理していました。そのため、現場先で情報を確認しようと思ったら事務所に電話するしかありませんでしたが、こちらの事務所では、現場先でkintone上で情報を確認できるのはとても便利だと思いました。現場先で近くに現場があるかの確認ができるため、もし現場が近隣である場合は行くようにしています。


インタビュアー:

近くに現場があるかどうかはどのように調べられているのでしょうか?


清水さん:

kintoneのカレンダーアプリに「○日敷地調査」と入力がある場合、カレンダーに表示されている住所を確認します。その後、案件管理アプリの一覧の地図を見て、近隣に現場があるかピンを見て調べます。自主的に行くこともあれば、簑田から振られることもありますね。各現場がどこまで進んでいるのかkintoneで確認できるので、担当ではない現場に行ってもスムーズに業務を行うことができます。

カレンダーアプリにて誰がどの業務を行うのか管理
各案件の進捗状況が一覧画面から把握できる。また、地図表示を行うことで現場がどこにあるか一目でわかる。

導入してからどのように所内浸透を進めたか教えてください

簑田さん:

私が導入したいといったことから、私が推進役になりました。今までホワイトボードというアナログな管理をしていた事務所ですから、初めから一気に全ての項目を入力するのではなく、ミニマムスタートで必要最低限の項目から入力を開始しました。入力に慣れてきたら、数か月単位で入力する項目を増やしていき、1~2年かけて所内での運用が定着しました。


インタビュアー:

理想的な進め方ですね。デジタルツールを導入するときによくありがちな失敗例として、せっかく導入したのだから最大限に利用したいと思い初めからすべての機能を利用しようとするが、慣れないツールを初めから使いこなすのは難しく、結局利用できない。ということがあります。最低限の項目からスタートしたほうが、定着・活用までのスピードが早くなる企業様が多いですね。もう少し詳しく教えていただけますか?


簑田さん:

はい。実は導入当初は入力する項目だけではなく、入力するのも私と事務員さんの2名で「現場名と業務内容」の情報をkintoneに登録するだけという使い方だったんです。ホワイトボードに記入していた内容をそのままkintoneに登録しただけにしました。登録に慣れてきたので、次に隣地の情報を登録し始めました。


インタビュアー:

隣地の情報を次に取り掛かったのはなぜでしょうか?


簑田さん:

ホワイトボードで管理していた頃は、隣地の連絡先は紙に書いて、案件が終わると捨てるという管理方法でした。そのため、完了した案件で隣地の情報を聞かれても答えることができず困っていました。進捗中の場合でも、紙をどのように保存するというルールがなかったので、記入した紙をすぐに見つけることができないということもあり、社内チャットや、ファイルを取り出して探したり、最悪紙が見つからない場合は再度訪問して確認するという感じでした。非常にもったいない時間の使い方をしていましたね。
これが、kintoneだと検索機能があるので、案件を確認する電話がかかってきたら、現場名や名前で検索することで、該当する現場がすぐに出せます。実はこれがきっかけで他の所員も使い始めるようになったんです。

案件管理アプリ内にて隣地情報を管理している。複数人登録できるため、現場ごとに対応可能。
インタビュアー:

ほかの所員様も困っていたことを解決できたことがきっかけになったということですね。ここから一気に全所員で入力・確認ができるようになったのでしょうか?


村上先生:

いえ。確認はするけど、入力をしない所員もいました。入力を徹底してほしかったことと、案件の進捗管理を目的に、毎週金曜日の朝にkintoneを使用して工程会議をすることにしました。工程会議では、自分の案件進捗をkintoneを見ながら報告するため、入力していないと会議の時に何も話せないという状況は避けたいと思ってもらえ、入力する文化が根付いたと思います。


インタビュアー:

なるほど!入力したデータを元に会議が行われるということが明確になり、入力することが当たり前となっていったんですね。工程会議がどのように行われているか教えていただけますか?


村上先生:

司会を1人設け、その人がkintoneに登録されている案件担当者からの報告を促します。指名された案件担当者は、kintoneを見ながら進捗を報告していきます。単純に進捗を報告するのではなく、kintoneには登録しなくても良いような所感とか現場の雰囲気なども報告してもらうようにしています。当事務所は分業体制を取り入れ、1つの案件に複数の人が関わります。そのためデータには反映しにくいようなことを伝えるということに重きをおいています。週1回進捗中の案件を確認することで、全案件漏れなく業務を進めることができるようになり、また、外回りや立会のスタッフに当初予定してたよりも早くいけそうだから準備しておいて欲しいなども伝える事ができています。分業体制での案件対応がよりスムーズになりましたね。実際、工程会議を始めてから、抜け漏れを防ぐことができ処理日数も今までより短くなりました。
また、案件の進捗状況が予定通りに進んでいない場合は、お客様に連絡するようにもしました。お客様からは、「逐一報告をもらえるのは助かります」と言ってもらえて、顧客満足度の向上にもつなげられていますね。


導入して最も効果があったと感じる点について教えてください

村上先生:

案件状況を見える化することができたので、分業制に取り組むことができ、案件の処理スピードをあげることができたこと、同時に残業時間も削減できたことですね。また、新しい取り組みとしてワンマン測量にもチャレンジし売上アップにつなげられたことですね。


インタビュアー:

大きな効果が出ていますね!分業制とワンマン測量について教えていただいてもよろしいでしょうか?


村上先生:

分業制は、例えば確定測量というお仕事を依頼された場合、測量を行うというだけではなく、調査をして資料を作成する、行政や隣地さんに測量に立ちあっていただく日を調整する、調査報告書を作成するなど10個ほどの業務があるんですね。この業務を調査士の資格を持った人がやっていたのですが、調査士の資格がなくてもできる業務がほとんどですので、そのような資格がなくてもできる業務は事務員さんにお願いしたり、資格が必要な業務でも、他の案件で近くに行く調査士がいる場合は、その調査士にまとめて行ってもらうようにしています。
ワンマン測量とは、通常測量は2人ペアで行うのですが、これを1人で行うことです。追尾機能のある機器を使うことで1人で測量を行うことができます。これによって単純に件数を増やすことができます。

各業務ごとに何日で行うのか、誰が担当するのかが明確に管理できる
インタビュアー:

ご丁寧に教えていただきありがとうございます。処理スピードが上がったとおっしゃられていますが、具体的にどれぐらい上がったのでしょうか?


村上先生:

以前は1週間ぐらいかかっていた案件を3日で終わることができるようになりました。1週間ぐらいかかるというのは業界の中では普通なので、3日で終わらせることができるというのは差別化にもなり、今まで依頼がなかった業者さんからもお声がけいただけるようになりました。また、処理スピードが上がった結果、受けられる案件数も増えたので、敷地調査という業務も積極的に受けるようにしました。敷地調査という業務は受けた後に表題登記という業務に繋がり、1件あたりの単価を上げることもができます。こちらに積極的に取り組むことにより今までハウスメーカーさんからの依頼がメインでしたが、不動産仲介会社様からも依頼をいただくことが増え、案件数が増え、売上アップにも繋げられています。


インタビュアー:

素晴らしい成果ですね。労働時間の削減についても教えていただきたいです。


村上先生:

今までは残業時間が月に50時間、深夜残業当たり前だったのが、kintoneを導入して深夜残業がなくなったどころか残業がゼロになりました。そのため、1人あたりの人時生産性(粗利÷総労働時間)も3倍近く増えました。


インタビュアー:

3倍!かなり生産性が向上してますね!従業員の方は増えたのでしょうか?


村上先生:

kintone導入前は私含めて従業員は8人でしたが、現在は18人に増えています。従業員が増えると生産性が下がると言われますが、弊所では生産性が上がっています。それは、従業員数とともに案件数も増えているからですね。kintone導入前は処理件数月10件だったのが、今は月30件になりました。売上も約2倍増えましたね。今まで売上が立っていなかった測量部門から、売上が立つようになったことが大きいです。測量部門は人数がいる割に生産性が悪かったのですが、kintoneの導入・分業制・ワンマン測量を導入して売上が増えました。


インタビュアー:

本当に素晴らしい成果ですね。一方で、働き方改革で残業代がなくなり、生活に困る人がいる。というニュースがあったり、弊社のお客様でもそういった声が従業員から上がる。という話も聞きますが、村上先生はどのように対応したのでしょうか?


村上先生:

評価制度を変えました。具体的にはインセンティブを導入し、目標の案件数を達成した時に手当を出すようにしました。案件数はkintoneで確認できるので、簡単に集計ができます。また毎週工程会議で各担当現場について報告してもらうので、大体何件の現場を今抱えているか管理者側はすぐわかりますし、所員も工程会議を通して改めて今自分が何件現場を持っていて、進捗はどうなっているのかの確認ができます。
インセンティブの導入の影響もあってか、期日前に業務が完了することや、効率に対する意識が上がったため、近くの現場はまとめて業務をするようになり、処理件数がさらに増えました。また、清水から「この現場行ってもいいですか?」という声が上がったのも大きな変化かなと思います。


清水さん:

インセンティブ評価により、明確な目標が定められて、目標を達成することでやりがいを感じるようになりました。kintoneで納期が予定ベースでいつなのかや、納期が近い案件の確認ができるのもいいです。完了までのスパンが明確に把握できるので、なるべく予定納期より前に終わらせるようにしています。また、自分の成長のために色んな現場を試したいので、担当できそうな現場であれば手を挙げるようにしています。

今後kintoneを活用した取り組みはありますか?

簑田さん:

現在タスク管理アプリにて進捗の確認をしていますが、一目でいつまでにやらなければならないというのがわかりにくい状況です。先日これをガントチャート形式で見られるように変更したので、担当者ごとに現場と業務内容を表示して、いつからいつまでに業務を行わなければならないのかを一目でわかるようになりました。このガントチャートをうまく利用してさらに生産性を上げていきたいと思っています。

現場ごとに誰がどの業務をいつからいつまでに行うのかを管理

デジタルシフト・DXに踏み切れない方に向けて

村上先生:

初期費用やランニングコストがかかるため、中々導入に踏み切れない気持ちはわかります。しかし、それを上回る効果を得られるので、ぜひとも思い切って導入するのをおすすめします。kintoneがなければ、分業制の導入はできなかったと思いますし、ペーパーレス化にも踏み切れなかったと思います。また、件数が1件増えるだけで月々のランニングコストはすぐにペイすることができます。弊所では月の案件処理件数が3倍に増えましたので、ペイどころか、大きくプラスとなっています。私は所員の登録した案件を確認するだけですが、現場の確認や進捗、売上などを確認できるのはとても便利です。所員は業務の管理のために使用して、私は数値確認のために使用しているといった感じですね。全員が全ての機能を使わなければいけないといったイメージがあるかもしれませんが、人によって使用する部分の線引きをするのもおすすめです。


インタビュアー:

デジタルシフトに踏み切りたいが、どこから手を付ければいいのかわからない、どのシステムを導入したらいいのかわからない、どのように進めたらいいのかわからないといった方に対して、村上先生の事例はとても参考になると思います。ありがとうございました。