導入事例

Case

船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー

営業組織立ち上げとともに、船井ファストシステム(kintone)利用開始。たった1年で、取引先企業数を3社から50社に増やした事例

公開日:2022年05月17日
About 株式会社サイテック 様

株式会社サイテックは、岡山県倉敷市を中心に中国・四国・近畿エリア等で工場に設置された工作機械・産業機械など電気制御している機械・設備の電気制御工事、電気回路設計、動力設備工事を行っている。 長年の実績により、取引先様から確かな信頼を得ており、高度な技術力を誇る。 法人化に伴い業績アップを行うため、2021年7月よりkintoneを採用。 今回は導入から現在に至るまでを、代表 齋藤正也氏に詳しくお話を伺った。

kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

齋藤様

法人化に伴い営業を強化しようと思った際に、以前利用していたシステムでは管理がしきれないという課題がありました。何かいいシステムはないかと思っていたところ、船井総研のコンサルタントの方からkintoneを薦められました。話を聞いてみると、営業管理と案件管理がしっかりでき、業績があがるように設計されていることが分かったので、導入しました。

インタビュアー

ありがとうございます。以前利用されていたシステムではどういった点で管理がしきれないと思われたのでしょうか?

齋藤様

以前使用していたシステムにはデータベースの検索機能が無く、データを探すのにかなり手間がかかっていました。また1画面に全情報があるため、最初の頃はよかったのですが情報が増えれば増えるほど探すのに時間がかかるようになりました。
kintoneはその点、簡単に検索ができるので見たい情報をすぐに見ることができると聞き、検索の時間が削減できると実感しました。

ネット検索のように、アプリ内データを簡単に確認することができる

kintone導入時の課題点や工夫した点を教えてください

齋藤様

今回の導入では私がメインで管理し、営業2名と一緒に使いながら日々の営業報告を確認したり、今後の営業活動の流れを考えたりしていました。
やはり最初は慣れていないので、入力してほしいと思っている部分に入力が無いこともありましたが、社員もkintoneに慣れてきて入力漏れは無くなり、1ヶ月もすると一通り問題なく入力ができるようになりました。

インタビュアー

慣れないシステムだと最初は難しく感じてしまいますよね。その中で、入力を徹底できた取り組みなどあれば教えていただけますか。

齋藤様

今まで使用していたシステムではそもそものやり方や入力ルール自体がなかったので、kintoneを利用することが会社のスタンダードということを意識づけする取り組みを行いました。
また、kintoneの要件定義を決めたり改修を進めたりする上で、現場任せではなく私自身も一緒に進めていきました。入力するのは現場ですが、社長である私がその数値を確認し経営方針を決めなければならないので、入力してほしい部分を明確に社員に伝えて落とし込みをしていきました。

営業報告アプリの入力画面。入力する項目は最小限にし、入力しやすくしている

kintoneを導入後、効果が大きかった点を教えてください

齋藤様

導入してもっとも効果が大きかった点は、訪問や連絡など営業を行う日にリマインド通知が届く点ですね。
営業に行く企業が増えてくると、訪問すべき日を忘れてしまうということがありました。訪問した際に、営業報告アプリに入力しますが、この時に次回アプローチ日も登録することで、営業担当者に次回アプローチ日前に通知が届き、前回の訪問内容を振り返りつつ、今回どのようにアプローチしていくかを検討することができるようになりました。
最初は急かされている感じもありましたが、今は目覚まし時計のような役割を果たしてくれています。

通知画面。左側の通知内容をクリックすると、右側に詳細が表示される

インタビュアー

つい忘れがちなことも通知を飛ばすことで営業戦略を緻密に立てることができるようになっていますね。
貴社のkintoneを拝見させていただいた際に、営業部分に関して入力がとても細かくされているなという印象を受けました。細かくなると入力漏れなども発生すると思うのですが、意識して取り組まれていることはありますか?

齋藤様

入力する時には「会話で自分が聞いたことはそのまま書く」ということを社員に言っています。
弊社の営業手法は基本的にフィールドセールスで、Webやニュースレターからの引き合いもありますが、95%は飛び込み営業からのスタートになります。飛び込み営業時に会えるか会えないか、どんな話をしたのか、ブラックボックスになってしまう部分があります。そうなってしまうとアドバイスもできないし、月何百件営業していると営業した本人も次に行くときに忘れてしまうんです。
ですので、1つ1つの商談に対してフィードバックする仕組みを作り連続性を持たせることができれば、営業マンがより高い精度で新規アプローチを行えるようになりますよね。
営業だと、どうしても現場で覚えるという風潮がありますが、kintoneに全ての情報を入力することでアドバイスができますし、自分以外の営業マンの営業方法を学ぶこともできます。
また、月に1回の会議では、全員でkintoneを見ながらチェックするようにしています。個人戦になりがちな営業活動を組織戦に変えることができた点も、kintone導入をしてよかった点ですね。
会話ベースで入力をしてくれるからこそ、連続性を持たせてお客様にとってオンリーワンな提案ができるようになりました。

営業報告アプリの詳細画面。コメント欄に営業やテレアポ時の情報を記載している

営業報告アプリのグラフ画面。会議で確認し経営戦略を検討している

インタビュアー

営業活動を組織戦にできたとのことですが、1企業に対して複数の営業担当者様が対応されるのでしょうか?

齋藤様

最初に営業する人と、次に訪問する人は異なります。2回目以降の訪問では、必ずそれ以前の営業内容をkintoneで確認してから行くように徹底しています。
その際、案件管理アプリにあらかじめ競合他社やお客様の予算、納期などの情報を入力して、その情報が適切か見極めて案件化まで動くようにしています。 入力していない内容があると、次はそこを確認しようというアクションにもなりますし、逆にお客様がどれぐらい情報を話してくれているのかによって温度感が分かるので、注力する案件が明確になります。
弊社は営業2名と私で営業活動をしているので、しっかりと営業先を見極めて回らないと時間が足りなくなります。kintoneでしっかりと情報を用意して判断するというところも成果につながっているポイントなのかなと思います。

案件管理アプリの詳細画面
齋藤様

ほかにも、kintoneから見込み客をリストアップしてニュースレターを送っています。
以前はExcelでリストを出していましたが、ソートをかけて必要なリストを作成するのに時間がかかっていました。kintoneではジャンルを分けてソートができるので、リスト作成に時間がかからなくなりました。

インタビュアー

kintoneは絞り込みが充実しているので、簡単に出したいデータを用意することができますよね。リストを作成する時間が削減された分、他に新しく取り組まれた事はありますか?

齋藤様

効率的になった反面、案件数が膨大に増えているので、案件管理に時間を取られています。
しかし、顧客リストアプリに規模ランクと設備保全担当者有無のチェック項目をつけて、営業マンにこれを確認してくださいという明確な指示が出せることで、限られた時間を有効に使えていると感じます。この2点は案件化を見極める大切な指標となるため、確認することを絶対に忘れてはいけない内容になります。必ず聞くことをkintoneで管理することで、効率の精度も上がっています。最初は700件あったリストも、訪問する中で見極めることができたので、今は400件程度になっています。そこからさらに案件化するお客様をどこまで絞れるかが見えてくるので、そこに営業資源を無駄なく利用できます。

インタビュアー

実際に入力をされている営業担当者様のkintone導入への反応はいかがでしたでしょうか?

齋藤様

弊社の場合、ファーストコンタクトやテレアポを主に営業マンに行ってもらい、受注前になった案件は私が対応するようにしています。なのでそこまで踏み込んだ営業はまだ行っていないということもあるのですが、テレアポ時にkintoneでデータを見ながら行っているので、補助的ツールとしては本当に便利で使いやすいと思います。
営業マンの中には、テレアポの履歴もkintoneに全て残す社員がいます。「受付さんにこういう風に断られた」とか、そのレベルの情報も全て入力しています。そういった小さいことなのですが、連続性のあるテレアポを行っている結果、アポ率が業界平均2~3%にも関わらずトータルで約10%になりました。
また、営業活動はどうしてもメンタルに負担がかかることも多いです。しかし、kintoneを見ながらフィードバックを行ったり、みんなでコメントを積極的にしたりすることで、気持ちの面でも自分がやっていたことを評価することで切磋琢磨し仕事に向かうことができました。そういった風土づくりにもkintoneは役立っていますね。以前、コメントを忘れてしまったときに、社員から「この前の返事なかったですが」と怒られてしまいました。それくらい励みになっているのではと思います。

日報アプリの詳細画面。コメント機能を利用し、社長やほかの社員からフィードバックやコメントが届く。

インタビュアー

kintoneで前向きな雰囲気の組織を作れている点は素晴らしいですね。業績の面でも変化はありましたか?

齋藤様

新規案件は0件、お付き合い先もたった3社だったのに対して、利用を開始して1年足らずで約60件案件があり、お付き合い先としては50社近くに増えました。
kintoneは管理というイメージがありますが、実際は営業情報のプラットフォームで、しっかりと社内で共有しながら進めていったから成果が出たのだと思います。

今後、kintoneで実現したいことを教えてください

齋藤様

今は私が1番kintoneのことを分かっている状態なので、営業マン2人にももう一歩踏み込んでほしいなと思います。
あとは、リマインドの活用ですね。通知以外でも、今月の訪問先を一覧で出して使いこなせるようになるといいかなと思います。

最後に、今からデジタル化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをよろしくお願いします!

齋藤様

損して得取れではないですが、営業が強い会社がkintoneを導入すると、今までのやり方で100%動いているところにプラスオンのコストを入れる形になると思います。そう考えると入れない選択をしたり、惰性で終わったりします。しかし入れることに対してもしっかりと100%の中で納めてというスタンスがあるので、例えばkintoneへ入力する時間があるんだったらあと5件回ってこようというよりも、kintoneへ入力入れることを優先して、それを繰り返すと中長期的に見たときにいいリストが出来上がって営業しやすくなり、成果にもつながっていくんだと思います。
今利用しているシステムで現状満足な部分もあると思いますが、新しいシステムを入れるとさらに仕事が洗練されると思います。