導入事例

Case

船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー

kintone導入で分業化を進め葬儀件数が1.5倍増えたにも関わらず公休9日休み!業績アップと社員の働きやすさを実現した事例

公開日:2023年05月22日
About 有限会社ながたに生花 様

有限会社ながたに生花は昭和42年創業の奈良県五條市に本社を構える葬儀社。 4会館を運営し、ライフタイルにあった「おくりかた」をご遺族とともに考え「後悔しない葬儀サービス」をモットーにお客様にあったサービスを提供している。新会館オープンにあわせ情報の一元管理を行うため2020年4月よりkintoneを採用、2022年には船井総合研究所が主催するプレミアムコンパクト葬経営研究会にてDX大賞を受賞した。今回は専務取締役の長谷真人氏に詳しくお話を伺った。

kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください

長谷様

元々スプレッドシートと管理システムを利用していたのですが、なかなか社内での入力が浸透しなかったため違うシステムの検討をしていました。
その時に船井さんが船井ファストシステム(kintone)を出されたということで、他社様の事例を拝見したのですが、これはうちでも使えるなと思い導入を決めました。

インタビュアー

kintoneが自社に合うなと思われた具体的なポイントを教えていただけますか?

長谷様

kintoneでは、自社仕様にカスタマイズできたり、月々のランニング費用が抑えられる点がいいなと思っています。
「システム」というと、決められた型に沿って入力をしなければ欲しい情報が見れないと思い込んでいた
ので、業務に合わせてシステムを簡単に変更できる点は本当に良いですね。
簡単にカスタマイズできると分かったときに、導入タイミングでちょうど新しい会館のオープンが決まって
いたので、それに合わせて一気にシステムを入れ替えるという少し無謀なスケジュールを立てたのですが、
それも問題なく進めることができました。

kintone導入後、社内で入力を浸透させるために行った取り組みを教えてください

長谷様

入力者がどこに何を入力したらいいのか悩まないように『ラベル』フィールドを活用して「ここは必須です」など入力ルールをkintoneのフォーム内に記載するようにしました。

顧客管理アプリの入力画面
入力で注意が必要な部分は「ラベル」フィールドで入力方法を記載することで
人為的な入力ミスを防ぐようにしている
長谷様

導入時は社員もそんなに多くなかったためkintoneを利用するメンバーも限られていて、そのメンバーをkintone担当者として導入に取り組んでいました。
今はそのメンバーが教育の部分でも他の社員に対して入力方法をきちんと教えてくれています。

インタビュアー

kintone担当者は何名くらいでしたか?また、教育の面で意識されたことはありますか?

長谷様

私を含めて4名ですね。現在は20名弱で入力しています。
教育面で言うとまずはマニュアルを整備しました。kintoneの取扱説明書のようなものですね。
また、ちょうどzoomの導入も始めた頃だったので、zoomで操作方法を録画して社内に展開していました。
新入社員が入ってきた際にも、お葬式の一連の流れを伝えるときにkintoneの入力タイミングも指導するというカリキュラムになっているので、その社員の上司にサポートをお願いしながら入力できるようになっています。
 
そもそも弊社は若い社員が多く、現在は平均年齢が35歳くらいなので元々パソコンを使うことに対しての抵抗感はなかったですね。
ただ、どうしても人間なので入力漏れなどはありますので、その時には個別に声掛けし入力の浸透を行っています。


kintone導入~活用までの流れと意識した点について教えてください

長谷様

まずは請求書業務をkintoneでできるようにすることを最優先で導入を進めました。月次ベースでの件数や売上などを出すとなると請求データがないと数字が把握できないので、本来は顧客管理から進めるべきだとは思うのですが、弊社では請求書業務のカスタマイズを新しい会館のオープンに合わせて1ヶ月で進めました。

請求書アプリの入力画面
葬儀の請求書では商品数等から入力項目が増えてしまうが
タブ機能を利用して分かりやすい入力フォームになっている

インタビュアー

1ヶ月で運用まで進められたということですが、スピード感を持って進めるために工夫されたことはありますか?

長谷様

オープン日から逆算してスケジュールを組み、期日までに絶対終わらせる、という意識で進めていました。
ゴールは請求書発行と明確に決まっていたので、あとはやるだけ、という感じでした。
先ほどお話したkintone担当者にはkintoneのカスタマイズも任せているのですが、この時は現場の仕事から
外させkintoneに注力できるようにしましたね。
また、元々利用していた別システムに顧客情報や商品・プランのデータはあったので、そのあたりのデータの入力はインポートするだけなので比較的簡単にできました。
 
請求書業務がある程度形になった後は、顧客管理や施行管理・事前相談の管理にも着手しました。
まずはkintone担当者に自社仕様にカスタマイズしてもらい「ここの項目は要りますか」とか
「これ要らないよね」「ここはプルダウンにしてください」という話をしながら形にしていきました。
 
ある程度形になった今は、kintone担当者も現場で業務を行っており自分で自分の案件を入力する場面が
出てきたので「ここ要りますか」という相談や、現場からの「こういうアプリがあったらもっと業務が
しやすくなる」といった声を拾ってくれるようになり、私と相談しながら反映するようにしています。
 
他にも、船井総研さんの勉強会で他社様の事例共有があった際に、うちでも取り入れたいなと思ったものは 設定方法などを教えてもらいながら活用を進めています。


kintoneを導入してどのような効果がありましたか?

長谷様

自分が見たい集計はほとんどkintoneで出せるようになりましたね。
今まではスプレッドシートで集計を見ていたのですが、それが少しずつkintoneに移行されていき、
今はkintoneの予実管理アプリしか見ていないです。

長谷様

予実管理アプリでは葬儀の売上・件数、あとは担当者別のプランの受注率やオプションの受注率、
事前相談からの入会率などを確認しています。
集計結果からサービスを提供したいお客様層へ葬儀プランの受注ができていないことが分かったので、 粗利ベースでプラン内容の再構築し、高価格帯のプランの底上げを行い全体的に受注単価が上がりました。
 
また、オプション商品ごとの集計を出せるようになったのは大きいです。たとえば、湯灌という商品がありますが、これを今までは地道にスプレッドシートで入力をしていたのですが、kintoneでは月ベースのデータが ボタン一つで一括で出せるので、業者への価格交渉へも利用できました。

各種月次集計プラグインでは、集計方法や条件を自由に設定できるため見たい集計を簡単に表示させることができる
長谷様

集計したデータは教育面でも利用できています。
例えば来館数に関してだと、来館者は来ているけど事前相談をしないで内覧だけとか、事前相談までしたのに入会しない、ということが分かるので、担当者に「どういう事前相談しているの?」などの確認を行い、
顧客対応の品質を上げる取り組みをしています。

インタビュアー

貴社は分業制も取り入れられているとお伺いしてますが、
分業制の面からkintoneを導入して良かったことや成果はありますか?

長谷様

現在は顧客管理・事前相談は対応した人が全て入力しています。その後の葬儀部分のデータは葬儀担当者が
入力し、アフターフォローもまた別の専任部署で入力を行う体制にしています。
kintoneを利用することで、初期の入力が正しければどこにいても会館の空き状況などが分かることと、 葬儀が入っているお客様の情報、納棺やお通夜などのスケジュールが把握できるのは非常に良いです。
あと、お通夜にAさんが行って、翌日告別式はAさんが休みとなってもkintone上にデータもマニュアルもある ので分業でも問題なく業務を行うことができています。

お知らせ掲示板の画面
今日の葬儀・通夜の一覧を貼り付けし、社員全員が予定の把握を行うことができる
長谷様

kintoneで情報の一元管理ができるようになったおかげか、休みに関しても以前は月6日だったのですが、
今は月9日取得できており、有給消化率は50%を超えていると思います。公休日数も1.5倍になりましたね。
(※業界平均は月7日)

インタビュアー

有給消化率50%超えはすごいですね!他にも施行件数が上がった、などの成果はありますか?

長谷様

そうですね、前期は葬儀件数が1.5倍、売上も6,000万円上がりました。
葬儀の件数が増えるとそれにかかる時間も増えるはずですが、kintoneを上手く活用することで件数と比例して労働時間が増えるということになっていません。
例えば、搬送の報告を今までだと帰社して紙に記載していたのですが、帰社せずスマートフォンやタブレットで外出先から入力ができるようになったので、移動時間を削減し、その分、他の業務をすることができているという感じです。
 
また、本社でしか印刷できなかった供花の名札や領収書発行を全店舗でできるようになったことも時間削減に繋がってますね。
印刷システムが本社に、しかも1つしかなかったので、そもそも帳票作成に時間がかかっていました。そこからさらに各店舗へ印刷物を持っていくとなると、本社から15分圏内に会館があったので、かなり時間のロスをしていました。
新しくオープンした会館は本社から30分程度かかるため持っていくことは現実的ではないなと考え、
RepotoneUを導入して店舗ごとに帳票出力を完結できるようにしました。

請求書アプリの画面
kintoneとRepotoneUを利用してPCがあればどこでも帳票出力ができるようになっている

RepotoneUシリーズとは?<https: u.repotone.com>

RepotoneU(レポトンユー)シリーズはkintoneで管理している見積書、請求書、各種報告書などあらゆるデータをPDFやExcel形式帳票に出力するプラグインです。 PDFまたはExcelでテンプレートを登録し、kintoneにあるレコードのフィールド情報をマウスドラッグで簡単に指定することができます。誰でも簡単にお好みの帳票をデザインすることが可能です。

RepotonU公式サイトより引用

長谷様

本社で印刷していた時は、1人で入力~印刷まで行っていましたが、kintoneとRepotoneUを利用することで
手が空いている社員が入力し出力だけ現地で行うことができるので、そこもうまく分業できるようになりましたね。

インタビュアー

ありがとうございます。他にも何か連携システムは導入されていますか?

長谷様

先ほどお伝えしたRepotoneU・カイクラですね。
あとは夜間の電話を外注しているのですが、その外注先に対しての情報共有でじぶんページを利用しています。

じぶんページのサンプル画面
kintoneのアカウントを持っていない方に対しても簡単に情報共有ができる

<補足>じぶんページとは?<https://www.jibun-apps.jp/jibun-page>
kintoneアカウントがない顧客や会員、取引先に、kintoneと連携したマイページを提供するサービスです。
外部共有する条件を選び、レコードの閲覧・作成・編集・コメントもしてもらうことができます。

長谷様

また、連携はしていないのですがLINE WORKSも社内共有で利用しています。
kintoneの取扱説明書をLINE WORKSで作成し、そこにマニュアルを貼り付けて
変更点があった際には社内に通知を行ったり、請求書データを確認してほしい社員が外出している際に、LINE WORKS上でPDFで貼り付けし確認依頼を行ったりしています。

今後、kintoneで実現したいことを教えてください

長谷様

今後も会館が増えてくることは分かっているので、今でも出せるのですがさらに会館別できちんと集計して行きたいと思っています。
システムの一本化がほぼできてきたので、他社様の事例を参考にしながら、よりkintoneの活用範囲を広げていきたいと思っています。

最後に、今からデジタル・DX化を進めようとしている企業様に向けて
メッセージをお願いします!


長谷様

店舗を増やす増やさないに関係なく、一店舗であろうが導入した方がいいと思います。
こういうクラウドシステムを入れておかないと経営者に万が一何かあった時、経営者にしか分からない数字があるのは会社を経営する上で問題が出てきます。社員も数字を見てモチベーションを上げたり、改善しないといけないところを把握したりしてほしいと思っています。
デジタル・DX化は早く取り入れないと置いて行かれます。分からないところは船井さんに相談しながら進めるといいかなと思います。