導入事例
船井ファストシステムを
導入いただいている企業様へのインタビュー
kintoneを導入し従業員数そのままで葬儀件数1.5倍増!kintoneで全ての業務管理を行い残業時間削減も実現した事例
天国社グループは昭和62年の創業の葬儀社で福岡を中心に5会館の運営を行っている。「お客様が求めることを提供しよう。」を企業理念に掲げ、幅広い葬儀プランやサービスの提供をしている。バックオフィス業務の見直しにあわせて2022年1月よりkintoneを導入。今回は部長の冨永洋介氏に詳しくお話を伺った。
kintone導入前の課題、導入を決めた理由を教えてください
kintone導入前は二十年以上、ずっとExcelでデータ管理を行っていました。慣れていることもあったためそこから何も変更せずExcelを使い続けていたのですが、集計などのデータとして使いたいと思った際に、複数のExcelデータから数字を広い集計するのは手間もかかり難しいと感じ始めていました。
その後、業務システムを利用していたのですがなかなか入力が浸透しませんでした。
そんなときにkintoneに触れる機会があり、これはいいな!と思い導入しました。しかし、導入当初はライトコースで契約しておりカスタマイズが上手くいかず、中途半端な利用状況になっていました。
そこで船井総研さんのセミナーで船井ファストシステムと出会い、最終的にkintoneで管理を行える体制になりました。
kintone導入時に行った取り組みを教えてください
まずは葬儀施行をメインにして社内全体の業務へkintoneを広げていこうと考えました。
他の部署も巻き込みたかったので、経理関係の集計なども並行しながら展開していきました。
今まではExcelでの入力とのことで本格的なシステムへの入力は初めてという印象を受けましたが、社内で反発などはなかったでしょうか?
もちろん反発はありましたが、この日以降はExcelを利用しない、Excelのデータは破棄する、という強い意志を持ち、スケジュールを定めて進めました。
入力方法に関してはzoomを繋ぎ、実際に入力しながら研修を行ったり、YouTubeの限定公開でその研修動画をあげて見てもらったりして徐々に浸透させていきました。
まだ導入して1年なので50歳以上の営業スタッフなどの入力が追いついていない現状はありますが、基本的には全社員入力ができるようになっています。
カスタマイズの際に意識されていることはありますか?
「どうしたら見やすいか、使いやすいか」を重視しています。なるべく入力箇所を少なく簡単にしたり、入力者が使いやすい一覧やグラフを作成したりしています。
現場の声を拾いながら、現場の業務に合わせてカスタマイズすることを意識していますね。
kintoneを導入してどのような効果がありましたか?
葬儀件数が昨年から比較して1.5倍ほど件数が伸びており年間1,400件、多い月では200件近くの葬儀に対応しています。
以前は会館間での情報のやり取りはFAXがメインだったのですが、kintoneは場所や時間を問わず情報を見ることができるので、例えば夜に受けた依頼の引き継ぎ等をkintoneで情報確認ができて葬儀件数が増えてもスムーズな対応ができています。
出棺時間がかぶらないか、霊柩車は使えるかどうかなどもkintoneで一目で分かるようになり、データの確認作業時間削減に繋がっていますね。
クラウドシステムなので、コロナの影響でリモートワークをしなければならないときに家でも情報が見れるようになったことがよかったです。
また社内の情報共有のスピードも上がりました。
今まではExcelで管理していたので、例えば見積書の一部を変更しようと思うとみんなが持っているデータを変えないと全ての変更はできませんでした。変更した見積書のひな形データを配布したにも関わらず、きちんと伝達しきれていなかったため以前の見積書だった、なんてことも発生していました。kintoneではひな形データを管理者側で変更すれば全て置き換わるので、対応スピードを上げることができました。
あとは弊社では、顧客情報はコールセンター、葬儀に関わる情報は葬儀担当部署、その後経理で請求書情報、アフター営業部署がアフター情報を入力する、というようにフェーズごとに入力する部署が異なりますが、
最終的にデータが1つにまとまって見れるという点もいいですね。
ありがとうございます。当初の課題であった集計部分も改善されましたか?
葬儀件数や売上などはもちろん簡単に集計できるようになりました。
社長から「今すぐにデータを出して」と言われた際に、今まではExcelから抽出するので3日ぐらいかかっていたのですが、kintoneであれば当日に出せますし、よく利用する集計であれば保存することですぐに見返すことができるので、集計作業は非常に楽になりましたね。
ありがとうございます。貴社では葬儀に関する業務だけではなく不動産業務についてもkintoneを活用されているとお伺いしておりますが、詳しく教えていただけますか。
不動産関係は、葬儀の申込書に持ち家かどうかなどをチェックする部分があるので、記入をしてもらったデータを基に入力をしています。持ち家だけど誰も住まないという場合は、不動産部にkintoneの通知機能を使って連絡を入れるようにしています。
通知を受け取った不動産部から葬儀担当に連絡がきたり、逆に葬儀担当から情報共有を行い案件の取りこぼしがないようにしています。
不動産業務も対応件数が非常に上がりました。そうなるとフォローしきれない部分が出るのですが、半年後や1年後にDMを送る通知を設定するなどして案件の整理ができるようになりましたね。
あとはコールセンターでも効果が出ています。
kintoneとカイクラを連携し、お客様からお電話がかかってきたら電話をとる前に情報がすぐに見れるので問い合わせに対応するスピードも上がりました。
今までは情報の確認でお電話をお待たせすることもあったのですが、今はkintoneに情報があればカイクラにも表示されるので対応品質も上がっていると思います。
カイクラとは?〈https://kaiwa.cloud/〉
株式会社シンカが提供する「電話業務効率化ツール」で、電話応対におけるトラブルやクレームを無くし、従業員の生産性や顧客満足度を向上させることができます。
「kintone登録項目」と「カイクラの項目」とを紐づけ設定することで、kintone登録情報をカイクラ上に表示できます。
〈カイクラ公式サイトより参考〉
他にも連携システムは導入されていますか?
じぶんページの導入をしています。
弊社はパートの方にはじぶんページで情報を見てもらっており、kintoneのアカウントだと権限付与が大変な部分も、じぶんページではアプリの閲覧や編集権限を設定しやすいため利用しています。
また、外部の搬送会社や司法書士事務所との情報共有にもじぶんページを利用しています。
今まではFAXやメール・電話でやり取りしていましたが、じぶんページを介して情報を見てもらうだけではなく入力もしてもらっています。
外部の方からの抵抗感などは無かったですか?’
入力はほとんどすることがなく基本は閲覧だけなので問題はなかったですね。あとはじぶんページで情報を見れたら外部の方も自社のひと月のデータが分かるので利用してもらっています。
じぶんページとは?〈https://www.jibun-apps.jp/jibun-page/〉
kintoneアカウントがない顧客や会員、取引先に、kintoneと連携したマイページを提供するサービスです。外部共有する条件を選び、レコードの閲覧・作成・編集・コメントもしてもらうことができます。
あとはお客様の資料請求と入会申込に関してはフォームブリッジを利用したり、帳票出力はRepotoneUを利用したりしていますね。
RepotoneUでは、請求書や見積書だけではなく、通知機能と併用してお客様に対する督促状を作成するなど色々なことに大活躍中です。Excelでも帳票出力はできていましたが、RepotoneUでは出力履歴が残るのはいい点だなと思います。
RepotoneUシリーズとは?〈https://u.repotone.com/〉
RepotoneU(レポトンユー)シリーズはkintoneで管理している見積書、請求書、各種報告書などあらゆるデータをPDFやExcel形式帳票に出力するプラグインです。PDFまたはExcelでテンプレートを登録し、kintoneにあるレコードのフィールド情報をマウスドラッグで簡単に指定することができます。誰でも簡単にお好みの帳票をデザインすることが可能です。
〈RepotonU公式サイトより引用〉
ありがとうございます。kintoneでされていない業務は無い、というくらいkintoneを活用されていますね。
kintone以外でしていることはほぼ無いですね。出勤簿もkintoneで管理しています。
給与計算・出勤日数・欠勤日数・週休は別のアプリのデータを1つのアプリにまとめ、月の休日日数・月の残業時間を出しています。そしてRepotoneに出力する時にはエクセルで計算した値を基に残業代金を出します。
エクセルに関数を入れておけば勝手に計算してくれますので経理が楽になっていると思います。
日報もkintoneで行っているのですが、社長は毎日全員分の日報をチェックしており、先日海外にいた際にも
全部リアルタイムでチェックできていましたね。
稟議申請もkintoneで行っており、以前は承認者が帰社するのを待って申請を進めていたのですが、今はどこにいても稟議が通るのでスピード感を持って業務ができるようになっています。
今ではkintoneがないと困るというレベルになっています。
今後、kintoneで実現したいことを教えてください
実現したいことは無いですね。
無いというと語弊がありますが、これからどうしたいというわけではなく、何かをするときには当たり前にkintoneを使っていきます。新規事業を興した場合もkintoneは絶対に絡めていきます。
あとはデジタル化を推し進めることでしょうか。元々デジタル化をしたいと思ったのも、こんなアナログな方法では次の世代に残せないと感じたことがきっかけでした。
引き継ぎなどを見ていても、ただ書類を渡して渡した本人は帰ったりするので、ただ渡されただけの大量の書類を誰が確認するのかと感じていましたし、社長や私など今の上層部が大体40代後半で、あと20年は頑張れるので、その間にちゃんと次に引き継げる準備をしておきたいと思いました。
そのために顧客や葬儀などの情報をデータ化しておくことで、今の2~30代がメインになった時に会社が上手く回るようにしておきたいですし、以前からお葬儀の営業をしている年代がいなくなった時にリピーターで帰ってきた人の情報がわからないのは会社的に問題だと思います。
以前から頑張っていただいている世代がいつ引退するかわかりませんのでデジタル化を進め、いつ誰が業務を行ってもできる体制作りをしていきたいですね。
最後に、今からデジタル・DX化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをお願いします!
kintoneは中小企業に合っているシステムだと思います。
私は情報処理なども知りませんし、システムを構築したこともない素人でしたが、カスタマイズは難しくなく、通常の業務時間の合間で進めることができていました。
中小企業はスピード重視で朝伝えたことが夕方には変わっていたりなど、状況に合わせて会社的に変化しないといけませんが、それにkintoneは対応できるシステムだと思います。